人生の教訓に溢れる小説、ノルウェイの森

読んでおもしろかった小説は村上春樹氏の小説、ノルウェイの森です。

これは言わずと知れた小説家、村上春樹氏の恋愛小説です。俳優の松山ケンイチ氏主演により映画化もされ、広く認知されている小説の一つではないでしょうか。

村上春樹氏の小説は海外小説のようなこじゃれた言いまわしや比喩、その独特の文体で好き嫌いが分かれます。このノルウェイの森も例外ではなくまさに村上春樹節が効いている作品です。そのため村上春樹の文体が好きな人には充分満足できる作品だと思います。

一方、ノルウェイの森の魅力は村上春樹氏の独特の文体だけではありません。大学生の主人公の日常と恋愛をベースに様々な人生の教訓がちりばめられています。村上春樹氏の作品を好まない人でも、このノルウェイの森については読むことで学びとることもなにかと多いのではないかと思います。

以下の感想はネタバレになりますのでご注意ください。

私が特に共感を得たのは物語のクライマックスです。言葉はまったく同じではありませんがだいたい以下のような内容です。

自分ができる限りのことで恋人に尽くす主人公の努力もむなしく、恋人はこの世を去ってしまいます。そこで主人公は悟ります。人は悲しみを悲しみ抜くことで学びを得て強くなれる。しかしその学びや強さも結局は次に来る新しい悲しみには無力であり人は悲しい出来事に悲しまないですむことなどありえない。

心当たりがある非常に的確な教訓だと思いませんか。人は悲しい出来事に対して無意識に何かを学ぼうとします。そしてそのことにより強くなれたように感じます。しかしそれによって悲しみを回避できたり耐えることができるようになったかというと疑問が残ります。このようにノルウェイの森は人生の示唆に富んだ小説です。